モノづくり

【安全を守る技術】
ユーザーの安全に配慮した
ループレス仕様

YKK APが提供する窓や網戸の開閉操作部品には、安全性を向上させるための独自の技術が活かされています。従来、手の届かない高い位置に取り付けられた窓や、上げ下げロール式の網戸では、開閉の際に、ループ(輪)形状の操作ひもやボールチェーンを使用した操作が必要でした。新たに導入された技術は、部品の構造を根本的に見直し、設置対象の全ての商品にループ(輪)を使わない一本ひもで操作を行う「ループレス仕様」という独自の開閉方式を採用しています。これにより、操作ひもによる子どもの事故リスクを軽減し、全てのユーザーの安全確保に寄与しています。

窓を「開ける」と「閉じる」を、たった一本の操作ひもで実現する仕組みについて、不思議に感じる方もいるかも知れません。操作の仕組みとして、操作ひもに設置された「切替ノブ」を引くごとに、アウターを通じて本体内部の部品(歯車)の嚙み合わせがスイッチし、窓を開けるときと閉じるときの回転方向をスムーズに切り替えることが可能。この機構により、一本のひもを引く操作だけで、「開ける」と「閉める」の二つの操作を行うことができます。この部品技術の設計思想としては、医療の分野で使用されるカテーテルから着想を得ており、切替ノブに連結したアウターと、その内部を通る開閉操作のためのワイヤーで構成された、業界初の機構を採用しています。

また、子どもの誤操作に配慮した安全設計も実施。万が一、子どもが誤って操作ひもを強く引っ張ったり、ぶら下がったりした場合、操作ひもの開閉ノブの把手部分は約200N(約20kg相当)の重さが掛かると、操作ひもから開閉ノブが外れる設計としています。この考え方により、操作部品の本体やワイヤーに過度の荷重がかかることを未然に防ぎ、部品の破損や落下を防止し、リスクを最小限に抑えています。

さらに、開発段階においては、操作性・使いやすさを追求するため、ユーザー視点による感性評価や生活者検証を実施。ユーザーが商品を安全かつ快適に操作できるよう、開閉に必要な力の解析や、操作感に対するアンケート評価等をもとに試作を繰り返し、改良を進めました。こうしたユーザー本位の設計思想に基づく開発プロセスによって、快適な操作性を実現する技術が生まれています。

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