モノづくり

大雨や台風から暮らしを守る
高水密技術

近年、大型で強い台風や長時間の大雨など自然現象が激しさを増し、これに伴い建築物の漏水被害のリスクが高まっています。特にビルにおける高層階では、上空に吹く強風の影響により、地上よりも強烈な雨風にさらされることがあります。この状況から、窓の設計や構造においては、水の浸入を確実に防ぎ、安全と安心を提供する「高水密技術」が求められています。

YKK APは、引違い窓の「高水密技術」を開発し、複数の技術を組み合わせて優れた水密性能を実現しています。窓の設計の基本原理として、「空気は気圧の高い場所から低い場所へ移動する」という特性に着目。窓のフレーム内の気圧を外気圧と同等に保ち、水が浸水しようとする力を抑制する「等気圧理論」を応用しています。具体的には、フレームが重なりあう召合せかまち部や、下枠部に外気導入口という空気の通り道を配置し、窓フレーム内が外気圧とほぼ同じ気圧となる構造とすることで、雨水の浸入と下枠部の水位上昇を抑制します。

また、同時に窓の隙間をふさぎ、水の浸入を防ぐ配慮も実施。召合せ部へ3重の止水ラインを設けていることや、気密材を窓の四方に隙間なく配置することで、水の浸入経路をふさぎます。

こうした窓の設計により、JIS基準で規定されて最も高い等級W-5(500pa)を大きく上回る、1500Paの高水密性を実現しています。

JIS基準では、枠外への水の流れだしや吹き出しなどの状況が10分間発生しないことが評価基準ですが、台風の滞留など長時間の過酷な気象条件を考慮して、180分間にわたり1,000Paの圧力をかける試験も実施。この結果としては、長時間の悪天候にも耐え、生活に支障をきたさない高い性能を確認しています。

この高水密技術は日本国内のみならず海外に展開する商品や物件においても導入され、継続的な改良と進化を繰り返すことで、地域社会に安心と快適さを提供しています。

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