【雨水の漏水を防ぐ】
エクステリア施工技能者の技量に
依存せず安定した止水品質を保つ技術
生活の利便性を高め、住まいの外観から外構までをコーディネイトするエクステリア商品はバルコニー、テラス、カーポート、フェンスなど、様々な種類があります。これらは現地で施工技能者が組立てることが一般的で、どうしても技量のばらつきが生じてしまう課題がありました。なかでも水密性を保つ「シーリング」は施工技能者の経験、作業環境、使用する材料が止水品質に影響します。「シーリング」に欠陥があった場合、テラスやカーポートでは雨漏りしたり、バルコニーに取り付けるハンドレール(手すり)では躯体漏水が起こり建物の劣化の原因となるなど、様々な不具合が発生します。そこで、YKK APは、施工技能者の技量に依存せずに簡単な現場作業で長期にわたり安定した品質が担保きるよう、「施工現場シーリングレス」につながる技術を開発し、商品の省施工化を目指しています。
カーポートなどの部材接合部においては「シーリングレスキャップ」を開発しました。時間が経過しても接着力が持続し、施工現場で取付けるだけで止水効果を発揮する独自の止水材です。また、台風や地震などによってカーポートが揺れると、部材接合部にも動きが起こります。これによって接着が剥がれ、隙間が生じて漏水するおそれがあります。そのため、この止水材には動きに追従する材料を用い、長期的に止水効果を持続させています。
バルコニーのハンドレール(手すり)では、躯体漏水を防ぐためのシーリングに代わる「止水材」を開発しました。一般的な木造住宅は躯体に防水シートが巻いてあります。ホルダーなどハンドレールを構成する部品をねじで固定すると、この躯体を守る防水シートに貫通口をつくってしまうため、それを塞ぐシーリング作業が必要でした。開発した止水材はゴム素材を用いており、ホルダーと防水シートの間に挟み密着。ねじの円柱部を締め付けて水の浸入を防ぎます。また、技能者が取り付けた部品の位置を修正するなどの現場で発生する調整作業にも配慮しました。ねじの締め直しを繰り返しても止水効果が低下しないように、ゴムの材質にこだわった仕様としています。