国土交通大臣認定特定防火設備(片開き戸)の公的試験における不正受験について
YKK AP株式会社は、2023年4月21日に公表した「国土交通大臣認定の仕様に適合しない特定防火設備(片開き戸)に係る未改修物件等への対応」について、特別調査委員会による調査が完了し、弊社ウェブサイト「大切なお知らせ」にて報告内容を公開しました。
その調査により、2008年当時、遮炎に関する性能評価試験(以下、公的試験)の際に使用した試験体で、「横骨や縦中骨の骨材の曲げの角度」や「試験体の扉幅及び扉高さ」などの7項目について、申請書に定められた仕様から乖離する不当な調整が実施されていたことが判明しました。これらの試験体の仕様の変更は、当時試験体の仕様の検討に携わっていた担当部署の複数の従業員の間で検討され、試験体の防火性能を向上させて公的試験を通過するために行われていました。その旨を、本年7月16日に国土交通省に報告しました。
調査結果を踏まえ、本件にて取得した大臣認定「EA-0259」は、大臣認定の取り下げを申請いたしました。対象となる物件は、平成8(1996)年4月から平成19(2007)年12月の間に施工された合計117棟(981セット)になります。
なお、改修が必要となる対象製品は、昨年4月に公表した通り、すでに改修対応を進めていますが、今回の117棟についても、国土交通省から指導をうけ、改めて丁寧な説明を行いながら、真摯に改修に取り組んでまいります。
Ⅰ改修対象となる製品について
対象製品名称:スチール採光窓付玄関ドア(主な使用先:集合住宅や事務所ビル等)
製造販売時期:平成8(1996)年4月~平成19(2007)年12月
対象物件数(都道府県別、改築を含む)
都道府県名 | 北海道 | 青森県 | 岩手県 | 宮城県 | 秋田県 | 山形県 | 福島県 | 茨城県 | 栃木県 | 群馬県 | 埼玉県 | 千葉県 |
棟数 | 4 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 5 | 4 |
都道府県名 | 東京都 | 神奈川県 | 新潟県 | 富山県 | 石川県 | 福井県 | 山梨県 | 長野県 | 岐阜県 | 静岡県 | 愛知県 | 三重県 |
棟数 | 27 | 7 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 2 | 3 | 2 | 2 | 1 |
都道府県名 | 滋賀県 | 京都府 | 大阪府 | 兵庫県 | 奈良県 | 和歌山県 | 鳥取県 | 島根県 | 岡山県 | 広島県 | 山口県 | 徳島県 |
棟数 | 1 | 2 | 8 | 5 | 0 | 2 | 0 | 4 | 0 | 0 | 1 | 0 |
都道府県名 | 香川県 | 愛媛県 | 高知県 | 福岡県 | 佐賀県 | 長崎県 | 熊本県 | 大分県 | 宮崎県 | 鹿児島県 | 沖縄県 | 合 計 |
棟数 | 0 | 1 | 0 | 8 | 1 | 8 | 4 | 1 | 1 | 1 | 1 | 117 |
Ⅱ今後の対応について
弊社では特別調査委員会からの提言を受け、現時点で下記の取り組みを開始しました。
〇商品開発・生産プロセスにおけるチェック体制・仕組みの再点検と強化
〇公的試験で使用する試験体において、品質保証部門に加え複数部門によるチェック
〇トップからの品質・コンプライアンス重視のメッセージの継続的な発信
〇コンプライアンスの実効性を担保するための法令・ルールの理解浸透
〇管理者向けの防火管理教育eラーニングの実施
〇文書管理規程・保存期間の見直し
今後、品質管理基準・体制の強化、役職員に対する教育・研修など、更なる取り組みを実行してまいります。
この度は、関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけしておりますことを、改めて心よりお詫び申し上げます。弊社は、今般の調査結果を真摯に受け止め、これまで以上に再発防止策を速やかに実行することで不正の防止を改めて徹底し、お客様をはじめとする関係者の皆様からの信頼の回復に全力で取り組んでまいります。
以上
<一般のお客様からのお問い合わせ先>
YKK AP株式会社 お客様相談窓口
電話番号:0120‐84‐1134
受付時間:9:00~17:00(土日祝を除く)
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受付時間:9:00~17:00(土日祝を除く)