基本情報

編集方針

この「YKK APサステナビリティデータブック 2024」は、「YKK AP統合報告書 2024」やウェブサイトなどで開示しているサステナビリティ関連情報の中でもデータに特化してまとめています。「YKK AP統合報告書 2024」や「YKK AP環境報告書 2024」、ウェブサイトと併せてご覧ください。
今後も皆様からのご意見を参考にしながらより分かりやすい報告書になるよう改善を図ることで、ステークホルダーの皆様との対話に資するコミュニケーションツールとしていきます。

※画像の見切れている部分は横にスライドしてご覧になれます。
スクロールバー配下の内容
2024年度 YKK AP報告書体系

※上記以外にYKKが発行するYKKグループの報告書は、This is YKK(統合報告書)、YKK有価証券報告書、YKKグループビジネスレポートがございます。

※表の見切れている部分は横にスライドしてご覧になれます。
発行時期 2024年8月
報告対象期間、報告対象範囲 2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)
※一部、対象期間外の情報も含みます。
YKK AP株式会社、YKK AP国内関係会社、YKK AP海外関係会社
会社基本情報 商号(社名) YKK AP株式会社(YKK AP Inc.)
本社所在地 〒101-0024 東京都千代田区神田和泉町1番地
資本金 140億円
設 立 1957年7月22日
決算期 毎年3月31日
従業員数(国内/海外)
※各年度末時点
(国内)12,991名(2023年)
12,802名(2022年)、12,819名(2021年)、12,484名(2020年)
※YKK APグループ(国内)
(海外)4,843名(2023年)
4,341名(2022年)、4,158名(2021年)、4,328名(2020年)
※YKK APグループ(海外)
関係会社
  • 国内関係会社
    株式会社YKK AP沖縄
    株式会社プロス
    株式会社イワブチ
    株式会社YKK APラクシー
    株式会社日東
    YKK APヘルスケア株式会社
  • 海外関係会社
    YKK APアメリカ社
    エリーAP社
    エリーAP USA社
    YKK AP中国投資社
    YKK AP大連社
    YKK AP中国社
    YKK AP蘇州社
    YKK AP香港社
    YKK AP台湾社
    YKK APインドネシア社
    YKK APマレーシア社
    YKK APタイ社
    YKK APコーポレートサービスタイ社
    YHSインターナショナル社
    サイアムメタル社
    YKK APベトナム社
    ボルーカ社
    YKK AP FACADE社
    YKK AP FACADEシンガポール社
    YKK AP北米テクノロジーズ社
拠点数(国内/海外) 国内194拠点、海外58拠点
製造拠点(国内/海外) 国内24拠点、海外12拠点

財務データ

※表の見切れている部分は横にスライドしてご覧になれます。
2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
売上高(連結) 4,028億円 4,463億円 5,086億円 5,381億円
売上高(国内計) 3,532億円 3,886億円 4,257億円 4,504億円
 事業セグメント別売上高(住宅) 1,747億円 1,867億円 1,964億円 2,148億円
 事業セグメント別売上高(ビル) 1,025億円 1,148億円 1,343億円 1,404億円
 事業セグメント別売上高(エクステリア) 577億円 630億円 650億円 631億円
 事業セグメント別売上高(その他) 180億円 239億円 298億円 322億円
売上高(海外計) 662億円 797億円 1,158億円 1,195億円
 地域別売上高(北米) 302億円 349億円 493億円 494億円
 地域別売上高(中国) 206億円 239億円 337億円 311億円
 地域別売上高(アジア) 153億円 208億円 328億円 390億円
海外比率 13% 14% 17% 18%
営業利益 209億円 173億円 178億円 256億円
営業利益率 5.2% 3.9% 3.5% 4.8%
経常利益 230億円 186億円 213億円 283億円
親会社株主に帰属する当期純利益 213億円 111億円 152億円 188億円
包括利益 483億円 197億円 276億円 487億円
純資産額 2,251億円 2,418億円 2,660億円 3,121億円
総資産額 3,897億円 4,265億円 4,558億円 4,788億円
総資産利益率(ROA) 5.5% 2.7% 3.5% 4.0%
自己資本比率 56.9% 56.2% 57.9% 64.6%
自己資本利益率(ROE) 9.6% 4.8% 6.1% 6.6%
営業活動によるキャッシュ・フロー 296億円 269億円 323億円 534億円
投資活動によるキャッシュ・フロー △38億円 △198億円 △228億円 △441億円
財務活動によるキャッシュ・フロー △96億円 △54億円 △49億円 △56億円
現金及び現金同等物の期末残高 272億円 317億円 376億円 468億円
設備投資 148億円 206億円 296億円 444億円
サステナビリティ投資 - - - 39億円
研究開発費 80億円 90億円 93億円 106億円
減価償却費 181億円 185億円 196億円 205億円
売上高研究開発投資比率 2.0% 2.0% 1.8% 2.0%

売上高(連結)におけるグループ内の取引については相殺消去しています。
海外比率は外部顧客に対する売上高における比率です。
2020年度の総資産利益率(ROA)は連結初年度のため、期末総資産に基づいて計算しております。
2020年度の自己資本利益率(ROE)は連結初年度のため、期末自己資本に基づいて計算しております。
サステナビリティ投資は当年度発注の金額です。
当該数値は公認会計士または監査法人の監査の対象外であり、監査を受けておりません。
※損益状況、財政状況、財務指標、キャッシュ・フローの連結財務データについて、2021年度以降は監査法人によるレビューを受けております。

理念

YKKグループとYKK APの理念

YKK APの事業活動の根幹には、「YKK精神」「経営理念」「パーパス」が存在しています。社員の行動や経営判断はこれらの理念に基づいて行われています。
YKK APは理念を胸に新しい時代に向かって挑戦し、社会を幸せにする会社をめざしていきます。

YKK精神 善の巡環

企業は社会の重要な構成員であり、共存してこそ存続でき、その利点を分かち合うことにより、社会からその存在価値が認められる――。YKK創業者の𠮷田忠雄は、事業を進めるにあたり、その点について最大の関心を払い、お互いに繁栄する道を考えました。事業活動の中で発明や創意工夫をこらし、常に新しい価値を創造することによって事業の発展を図ることが、お得意様、お取引先の繁栄につながり、社会貢献できると考えたのです。このような考え方を「善の巡環」と称し、常に事業活動の基本としてきました。私たちはこの考え方を受け継ぎ、YKK精神としています。

経営理念 更なるCORPORATE VALUEを求めて

YKKグループが「善の巡環」の精神に基づく経営理念として掲げるのが「更なるCORPORATE VALUEを求めて」です。私たちはお客様に喜ばれ、社会に評価され、社員が誇りと喜びを持って働ける会社でありたいと考えています。そのための手段として、商品、技術、経営の質を高めていきます。そして、これらを実践するにあたって常に根底にあるのが「公正」であり、これをあらゆる経営活動の基盤としています。この経営理念は、1994年に当時YKKおよびYKK APの社長を務めた𠮷田忠裕によって策定されました。

パーパス Architectural Productsで社会を幸せにする会社。

YKK APのパーパスには、私たちの商品やサービスを通して社会に貢献する会社でありたいという想いが込められています。住宅やビルの構成要素である「Architectural Products(建築用工業製品)」で、お客様やお取引先の想いに応え続けること。それによって、お客様やお取引先、そして社会に貢献する会社であり続けること。
「YKK AP」という社名に込めた想いを受け継ぎながら、変わりゆく社会の中で必要とされる存在であり続けたいと考えています。

「パーパス」-わたしたちYKK APの想い

窓やドア、カーテンウォール、エクステリア商品など、建築用工業製品である“Architectural Products”を通して、技術の追求と建築物の美しさへ挑戦し続けること。商品を通して省エネやCO2削減、快適な暮らしに貢献し、一つひとつの小さな幸せを積み重ね、社会全体の幸せを実現すること、わたしたち社員のそんな想いを「パーパス」としてカタチにしました。
人と自然、未来をつなぎ、幸せな社会をめざしていく。それが、社会へ向けたわたしたちの想いです。

理念浸透のための取り組み

YKK APは事業の持続的成長を支えるために、社員が日々の業務でYKK精神・経営理念・パーパスを意識して行動できる環境づくりに取り組んでいます。その一例として、各拠点・部門で自らの実践事例や思いを共有する「語らい会」があります。この会は、毎年、社員一人ひとりが自らの仕事とYKK精神・経営理念・パーパスとのつながりについて考える機会を創出することで、理念の理解と浸透を図ることを目的に推進しています。交流や対話を通じたコミュニケーションにより、各部門や会社全体の一体感を醸成するとともに、持続的成長を支える人・風土づくりもめざしています。2023年度も、国内の約2,000の部門すべて(営業、開発、技術、製造、管理部門)で語らい会が実施されました。

サステナビリティの考え方

YKK精神に基づく企業の社会的責任

[基本的な考え方]

YKKグループは、“他人の利益を図らずして自らの繁栄はない”という思想に基づくYKK精神「善の巡環」を全事業を貫く精神的支柱としてきました。
企業は社会の重要な構成員であり、共存してこそ存続でき、その利点を分かち合うことにより社会からその存在価値が認められるものです。私たちは事業をすすめるにあたり、この点について最大の関心を払い、お互いに繁栄する道を考えてきました。それは事業活動の中で発明や創意工夫をこらし、常に新しい価値を創造することによって事業の発展を図り、それがお客様、お取引先の繁栄につながり、社会貢献できるという考え方です。
この「善の巡環」の精神を根幹とし、経営理念である「更なるCORPORATE VALUEを求めて」のもと、「公正」を行動の基軸として、世界の70以上の国と地域で現地に根差した事業を展開しています。

[企業市民としての社会的責任]

私たちには、企業市民としての責任があり、公正な企業経営を実践していくためにも、この責任を真摯に受け止めています。今、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。国際社会においても文化や習慣、考え方などの多様性を尊重し、事業活動を通して社会の発展に貢献する責務があります。
YKKグループは、YKK精神「善の巡環」、そして経営理念「更なるCORPORATE VALUEを求めて」の実践を通して、これからも本業を通じて持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進していきます。

マテリアリティと指標

マテリアリティ

YKK APの持続的な成長を牽引するために、2021年度、パーパスをベースにマテリアリティ(重要課題)を特定しました。マテリアリティ推進のための体制を整え、さらにKPIを設定して具体的な取り組みを進めています。

※表の見切れている部分は横にスライドしてご覧になれます。
持続的成長を支える「人材」 商品による社会課題解決と競争力の源泉となる「モノづくり」 社会的責任を果たすための「信用・信頼」

・ダイバーシティ&インクルージョン

・働きがいのある職場環境の整備

・新たな価値を創出する人材の開発・育成

・人権の尊重

・ステークホルダーとの共創

・イノベーションの創出

・社会課題を解決し続ける商品・サービス

・公正な事業活動

・レジリエントな経営基盤

・環境との共生

マテリアリティの特定の考え方と特定プロセス

マテリアリティの特定においては、2021年に策定したYKK APのパーパスを軸と定めて検討しました。パーパスは、

  • 「好奇心と探究心」が示す持続的成長を支える「人材」
  • 「ArtとTechnology」「価値ある建築パーツ」が示す、商品による社会課題解決と、その源泉となる「モノづくり」
  • 「人と自然、未来をつなぐ」が示す、社会的責任を果たすための「信用・信頼」

の3つの重要な要素で構成されています。この要素を軸とし、そこに、事業の持続的成長に関わる「経営視点」と、社会の持続的発展に関わる「社会視点」をかけ合わせて検討しました。「経営視点」には事業方針より、当社事業への影響度が高いテーマを抽出しました。「社会視点」では、各ステークホルダーにとっての重要度を分析し、マテリアリティ候補を抽出しました。これらの視点で抽出した候補から、最重要と考えられる10の項目を選出し、マテリアリティとして設定しました。

外部環境の分析

  • 世界経済フォーラムが発行する「グローバルリスク報告書」2021年版
  • 米国の非営利団体SASB(Sustainability Accounting Standards Board)の非財務情報の開示標準

社員意識調査/取引先の重要課題の分析

  • 2020年度に実施した社員意識調査
  • 主要取引先が掲げる重要課題をピックアップし、各重要課題の重要度を算出

ボードメンバーによる検討

2021年1月~5月

社員・役員による議論と、取締役会の決議を経て策定されたパーパスを軸にマテリアリティを検討し、その候補が取締役会へ提出され議論と決議

2021年6月~

策定したマテリアリティについて、社長をトップとする「ESG全体会議」の直轄組織として「マテリアリティ推進ワーキンググループ」を設置し推進とKPI管理

マテリアリティに基づく取り組み

2021年度に掲げたマテリアリティ(重要課題)は、パーパスをベースに策定しました。推進のために各マテリアリティに推進部門を設け、第6次中期経営計画(2021~2024年度)の実践を通して取り組んでいます。

第6次中期におけるマテリアリティの目標と推進部門

※画像の見切れている部分は横にスライドしてご覧になれます。
スクロールバー配下の内容
第6次中期におけるマテリアリティの目標と推進部門

対象範囲 ◇1:YKK AP単体 ◇2:YKK APグループ(国内) ◇3:YKK APグループ(国内+海外) ※12021年度までは厚生労働省 雇用均等基本調査に基づく算出方法により算出。 2022年度以降は育児・介護休業法改正に伴う公表方法に従い算出。なお2022年度は期をまたいで育児休業を取得した人数を含む。 ※22021年度、2022年度は取引基本原則締結先を対象に実施。 ※32023年度、2024年度は大口取引先および特に重要な材料・部品を取り扱う取引先を対象に実施。 ※4省エネ、省施工、防災・減災、安全・安心、健康・衛生など社会の重要課題を解決し、SDGs達成に貢献する建築パーツをサステナブル商品と定義。

マテリアリティの推進体制

YKK APでは、各マテリアリティに推進部門を設け、取り組みを強化しています。さらに社長をトップとするESG全体会議は、環境(Environment)をテーマとする環境政策委員会、社会(Social)をテーマとするブランドマネジメント委員会、ガバナンス(Governance)をテーマとするコンプライアンス委員会で組織されており、それぞれ社長・副社長が委員長を務める当社の主要な委員会組織です。ESG全体会議の直轄組織である「マテリアリティ推進ワーキンググループ」では、ESG全体会議および各マテリアリティ推進部門と連携しながら、マテリアリティ推進とKPI管理を行っています。

マテリアリティの推進体制

賛同するイニシアチブ、認証と主な外部評価

賛同するイニシアチブ・団体、認証

※表の見切れている部分は横にスライドしてご覧になれます。
2019年1月 国際的イニシアチブ「SBT(Science Based Targets)」認定を取得(2021年2月 更新)
2019年5月 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD : Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言への賛同
2021年5月 「国連グローバル・コンパクト」に署名
2022年6月 気候変動イニシアティブのメッセージに賛同
2022年6月 内閣府や中小企業庁などが推進する「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の趣旨に賛同し、「パートナーシップ構築宣言」を策定・公表
2022年10月 循環経済パートナーシップ(J4CE)への参加
2023年4月 環境省の定める「エコ・ファースト企業」に認定
2023年4月 経済産業省「GXリーグ」への参画
2023年5月 持続可能な脱炭素社会の実現をめざす企業グループ「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)」へ加盟
2023年8月 国土強靱化貢献団体認証「レジリエンス認証」を取得
2024年2月 経済産業省が主導する産官学の連携を促進するためのパートナーシップ「サーキュラーパートナーズ」に参画

製品安全の取り組みへの評価

※表の見切れている部分は横にスライドしてご覧になれます。
2017年11月 製品安全対策ゴールド企業 認定(経済産業省)
製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)において、2017年に3度目の経済産業大臣賞を受賞し、「製品安全対策ゴールド企業」に認定。認定から5年ごとに実施されるフォローアップの1回目があり、2023年1月に認定継続となりました。

1年間の主な受賞トピックス

※表の見切れている部分は横にスライドしてご覧になれます。
2023年9月4日 YKK AP
タイ社
ショールームがDesign Excellence Award 2023のインテリア部門で優秀賞を受賞
2023年9月27日 YKK AP 戸建住宅用自動ドア「M30 顔認証自動ドア」が第17回 キッズデザイン賞で奨励賞(キッズデザイン協議会会長賞)を受賞
2023年10月4日 YKK AP
アメリカ社
「T Series Entrance Systems」「YHS 50 TU Storefront System」がBLT BUILT DESIGN AWARDS 2023を受賞
2023年10月18日 YKK AP
FACADE社
CTBUH Awards 2023でSystems Awardを受賞
2023年11月23日 YKK AP 採用したい建材・設備メーカーランキング2023(日経アーキテクチュア)で「戸建て住宅用サッシ」13年連続1位、「戸建て住宅用玄関ドア」8年連続1位、「ビル用アルミサッシ・カーテンウオール」19年連続1位
2023年12月7日 YKK AP
台湾社
理想の好宅(住まい)に採用したい建材・設備メーカー調査のサッシ部門で12年連続1位
2024年3月20日 YKK AP
中国社
採用したい建材ブランド表彰の窓部門に13回連続選出
2024年3月29日 YKK AP 省エネ法に基づく事業者クラス分け評価制度で省エネ優良事業者(Sクラス)評価を9年連続取得