リスクマネジメント
基本的な考え方
YKK APでは持続的な成長を牽引するためにマテリアリティ(重要課題)を特定しており、その中の1つに「レジリエントな経営基盤」を掲げています。リスク管理体制の強化と有事におけるガバナンス体制を確立するため、CRO(最高リスクマネジメント責任者)主導のもとBCM委員会等による規定の整備とその運用を行い、委員会と各部門の連携強化、平時でのBCP(事業継続計画)準備、有事におけるスムーズな運用によりレジリエンスを高めています。
リスク管理体制の強化
YKK APではリスク管理体制の強化と有事におけるガバナンス体制を確立するため、CRO主導のもと、リスクマネジメントを推進する5つの委員会を設置し、委員会ごとに規定の整備とその運用を行っています。各部門とリスクマネジメント委員会の連携強化、平時でのBCP(事業継続計画)準備、有事におけるスムーズな運用により、レジリエンスを高めていきます。
リスクマップの整備と重要リスクの選出
事業を取り巻くリスクに対し、環境の変化、リスク対応の緊急度、予測される損害規模に応じてリスク評価を行い、リスクマップを作成しています。作成後も①重要リスクを含むリスク項目の見直し、②リスクレベルの明確化、③重要リスクに対する関連部門の取り組みを明示、などの観点からリスクマップの見直しを行い、経営に大きな影響を及ぼすリスクは重要リスク項目に位置付け、リスクの特性に合わせて被害想定や事前対策、教育・訓練などの方針や取り組みを策定しています。
主な重要リスクへの対応
自然災害(地震・津波・台風・集中豪雨)
外部環境と想定されるリスク
大規模地震や風水害の被害により、事業活動が停滞する可能性がある。また、従業員の死傷、設備等の損壊による生産能力減少、設備の復旧費用等の発生といった物理的な被害に加え、ライフラインの停止や物流の麻痺等により、事業活動が長期的に停滞する可能性もある。
取り組み
- 災害発生時は、社長を本部長とする対策本部を設置。BCM委員は各機能におけるBCP対策本部長となり、有事対応の統括・指示・全体管理を行う
- 事業継続についての方針・施策を審議・決定する機関としてBCM委員会を設置し、BCPの策定や維持・更新、教育・訓練などを実施する
サイバーインシデント
外部環境と想定されるリスク
企業秘密等は、コンピューターウイルスの感染や不正アクセス等により滅失・漏洩、またサイバー攻撃、通信サービスの停止等によって情報システムがダウンし、事業が停止する可能性がある。
DX化やリモートワークの拡大に伴い、情報システムへの侵入による強制停止や企業機密等の滅失等の可能性が高まっている。
取り組み
- IT-BCPの整備、運用(IT-BCMガイドラインに基づく行動計画、体制、エスカレーションフロー等)
- インシデント対応体制構築(ITセキュリティ体制、IoT商品)
- 情報セキュリティ委員会にて、役割ごとに部会を設置して対応強化を図る
サプライチェーンの混乱
外部環境と想定されるリスク
地政学リスク等によるエネルギーや原材料価格の高騰、物流コストの上昇、輸出入規制や為替の大幅な変動等、世界各国の政治経済の変化からサプライチェーンへの影響を受ける可能性がある。
取り組み
- グローバル供給における代替策や製造政策の検討等のサプライチェーンBCP運用
- 購買品対応(①ヘッジスキームや複数購買 ②サプライヤーとの情報交換を定期的に実施、在庫政策 ③流通網の遮断に対応するルートの設計と対応)
- 景気低迷・競争激化対応
事業継続計画(BCP)の取り組み
災害・リスク発生時に備え、国内外の全拠点でBCPの策定を完了しています。また、BCPの迅速な実行を目的に「事業継続マネジメント(BCM)規定」の見直し・更新を行ったうえで、機能軸・地域拠点単位での浸透を進めています。
BCPの実効性を高めるため、災害を想定した訓練を毎年行っています。加えて、在宅勤務や直行直帰といった働き方の変化に合わせ、CRO主導のもと「動画で学ぶ『自然災害のリスクと対策』」をWEB社内報にて配信しています。
レジリエンス認証
リスクマネジメントに関する一連の取り組みを受け、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会が実施する国土強靱化貢献団体認証「レジリエンス認証」において「事業継続および社会貢献」の認証を取得しています。
レジリエンス認証とは
内閣官房が進める国土強靱化の趣旨に賛同し、事業継続に関する取り組みを積極的に行っている企業・団体を「国土強靱化貢献団体」として認証する制度です。審査・認証は、内閣官房国土強靱化室から認証組織の要件に適合した一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会が行っており、企業・団体における事業継続(自助)および社会貢献(公助)の積極的な取り組みを広めることにより、すそ野の広い、社会全体の強靭化を進めることを目的としています。