「住まいに関するアンケート」を窓リフォーム経験者と未経験者1,101名に実施
窓リフォーム未経験者の約49%が、新生活や引越しの際に「断熱・省エネ性能」を重視
4月1日から改正建築物省エネ法施行で住宅の省エネ化が加速
~ 専門家は生活の質を引き上げる窓リフォームを「コスパ最強」と推奨 ~
YKK AP株式会社(本社:東京都千代田区、社長:魚津 彰)は、20代~60代の男女1,101名に「住まいに関するアンケート」を実施しました。
春は、進学や就職といった新生活にともない引っ越しや住まいの環境を見直す時期ですが、2025年は住宅環境にとって大きな変化の年となります。政府が掲げた2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルという目標達成に向け、4月1日から改正建築物省エネ法が施行され、新たに建物を建築もしくは増築する場合、省エネ基準への適合が義務付けられます(※1)。さらに「窓の高断熱化リフォーム」に活用できる補助金の申請が3月からスタート予定といった背景を受け、住まいに対する意識や課題を明らかにすることを目的にアンケートを行いました。

さらに調査結果を受けて、空調・通風・給湯・自然光利用など幅広いテーマを研究している東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 准教授 前 真之(まえ まさゆき)先生に「冬暖かく夏涼しく、電気代も安心」な住まいのあり方についてコメントをいただきました。
■「住まいに関するアンケート」概要
調査期間: スクリーニング調査 2025年2月6日(木)~2月8日(土)
本調査 2025年2月10日(月)~2月11日(火)
調査方法: インターネット調査(YKK AP デザインセンター調べ)
調査対象: スクリーニング調査 全国の20代~60代の男女10,129名
本調査 スクリーニング調査にて抽出した窓リフォーム経験者550名、未経験者551名
(調査表・グラフの数字は、表章単位未満を四捨五入しているため、内訳を足し上げても必ずしも合計とは一致しない場合があります)
調査結果①:「窓リフォーム」は45%の人が知っているが、実施率はわずか9%(スクリーニング調査)
調査結果②: 窓リフォーム未経験者の住まいの不満 1位は冬の「寒さ」、2位は「光熱費が高い」、
3位は夏の「暑さ」。「朝晩・部屋ごとの温度差」や「結露」も上位に
調査結果③: 約半数の人が新生活や引越し時に求める住まいの変化として「断熱・省エネ性能」を重視し、
「収納スペース」「日当たり」に次いで多い結果に (未経験者)
調査結果④:現在自宅で実施している暑さ・寒さ対策に十分満足できている人はたった7%(未経験者)
調査結果⑤:窓リフォーム経験者の80%が満足していると回答!期待した効果のほぼ全てを実感
調査結果①:「窓リフォーム」は45%の人が知っているが、実施率はわずか9%(スクリーニング調査)

10,129人を対象にした事前のスクリーニング調査によると、44.6%と半数近くの人が窓リフォームについて「知っている」と回答しましたが、実施したことがある人はわずか8.8%でした。
「知っている」と回答した4,525人に、窓リフォームに対する印象を聞いたところ、上位は「金額が高そう(53.3%)」「時間がかかりそう(17.8%)」「効果が実感できるか分からない(17.1%)」という結果に。ほかに、「家を壊さないといけず、大掛かりな工事が必要だと思う」も13.4%と、窓リフォームを知っていてもコストや工事の手間を理由に実施していない人が多くいることが推測されます。
既存の窓の内側に新しい窓を追加する「内窓」は1窓あたり約60分、「窓交換」でも半日程度で設置でき、家を数日間離れるような大規模な工事は必要なく、手軽に窓リフォームできます。さらに環境省が実施している「先進的窓リノベ2025事業(※2)」を活用すれば、工事費を含むリフォーム費用の約半分、1戸あたり5万円~最大200万円の補助金が交付されるため、価格を抑えた窓リフォームが可能です。内窓はマンションでも設置可能で、現場復帰ができる施工方法で設置すれば賃貸住宅でも設置できる場合もあります。

申請手続きは事業者登録をしているリフォーム事業者が実施するため、分かりづらい申請はプロにお任せ!お近くのリフォーム店に補助金を使って窓リフォームを実施したいと相談してみてください。

<ご参考>
◆YKK AP ウェブサイト内「先進的窓リノベ2025事業」特設サイト
https://www.ykkap.co.jp/consumer_business/satellite/law/subsidy2025/senshintekimado/
◆YKK APとパートナーシップを結ぶ全国の窓リフォーム店 「MADOショップ」
ウェブサイト(https://www.madoshop.jp/)では、各都道府県別の「MADOショップ」やリフォーム事例を紹介しています。
調査結果②:窓リフォーム未経験者の住まいの不満 1位は冬の「寒さ」、2位は「光熱費が高い」、3位は夏の「暑さ」。「朝晩・部屋ごとの温度差」や「結露」も上位に

窓リフォーム未経験者に、現在の住まいで不満を感じることを調査したところ、1位「寒い(43.7%)」、2位「光熱費が高い(36.8%)」、3位「暑い(31.4%)」という結果に。「朝晩や部屋ごとに温度差がある(28.7%)」や「部屋が結露する(27.9%)」といった不満も上位にあがり、一年を通して住まいの温熱環境に起因する不満を感じていることがうかがえます。
WHO(世界保健機関)は、「住まいと健康のガイドライン」として寒さによる健康への影響を防ぐために室内温度を18℃以上にすることを強く勧告しています。しかし、日本の家の冬の平均室温は厚生労働省の調査(※3)によると居間16.8℃、 脱衣所13.0℃、 寝室12.8℃と全国的に室内温度が18℃に達しておらず、住まいの寒さが課題になっています。特に冬場は、部屋ごとの温度差による「ヒートショック」や、結露の発生が“カビ・ダニ”の増殖を招きアレルギーや喘息を誘発するなど健康リスクを高める要因にもなるため、住まいの「寒さ」は健康被害にもつながります。
調査結果③:約半数の人が新生活や引越し時に求める住まいの変化として「断熱・省エネ性能」を重視し、「収納スペース」「日当たり」に次いで多い結果に(未経験者)

窓リフォーム未経験者に、新生活や引越しを考えた際に重視する住まいの変化を尋ねたところ、「収納スペースの広さや使いやすさ(53.2%)」や「日当たり(50.8%)」に次いで多い、約半数の49.0%が「断熱・省エネ性能(冷暖房の効率・窓の断熱性など)」と回答しました。光熱費の高騰や環境意識の高まりなどの理由から、断熱性能が高く省エネな住まいを求める人が多くなっていることが推察されます。こうした背景から、今後の住まい選びでは生活の利便性や快適性を左右する「収納スペース」や「日当たり」に加え、「経済性」「環境負荷の低減」を兼ね備えた省エネ住宅が求められていくと考えられます。
調査結果④:現在自宅で実施している暑さ・寒さ対策に十分満足できている人はたった7%(未経験者)

窓リフォーム未経験者に、暑さ・寒さ対策として自宅で使用しているモノや実施していることを調査したところ、1位は暑さ・寒さ対策ともに「エアコンをつける(寒さ対策:52.1%、暑さ対策:76.6%)」となり、冷暖房に頼っていることが分かりました。そのほか、暑さ対策では「扇風機、冷風機、サーキュレーターをつける(64.1%)」、寒さ対策では「厚着をする(50.5%)」「厚手の靴下やスリッパを履く(42.3%)」「個別の暖房器具を使う(41.6%)」という人が多いことが分かりました。
さらに、実施している対策に対する満足度を聞いたところ、「十分に満足している」と答えた人はわずか7.1%で、「多少、満足している」と答えた人を合わせても満足度は49.2%と約半数でした。反対に、「あまり満足していない」「全く満足していない」と答えた人が42.0%となり、満足している人と拮抗する結果となりました。「満足していない」と回答した人にその理由を聞いたところ、53.0%の人が「効果を感じられない」と回答し、不満足なまま仕方なく対策を実施していることがうかがえます。特に、住まいの暑さ・寒さを改善しようとエアコンなどを使用することで、光熱費の高さに悩む悪循環に陥っている人が多いことも読み取れます。

住まいの中で熱の出入りが最も多いのは「窓」です。夏は外から入ってくる熱のうちの74%が窓から入り、冬は室内の熱の50%が窓から出て行ってしまいます。つまり断熱性能が低い窓の場合、冬はどんなに暖房をしてもせっかく温めた暖気が外に流出し、夏はせっかく冷房で室内を冷やしても窓から入ってくる日差しの影響が大きくエアコン効率は上がりません。住まいの不満の上位にあがった「暑さ・寒さ」を解決するには、窓からの熱の流出入を最小限にするのが1番の近道です。

調査結果⑤:窓リフォーム経験者の81%が満足していると回答!期待した効果のほぼ全てを実感


窓リフォームを実施したことがある人に、内窓リフォームを検討した理由を調査したところ、「冬場の寒さを解消したかった」という理由が50.5%と一番多く、ほかに「光熱費を削減したかった(38.0%)」「夏場の暑さを解消したかった(37.8%)」といった回答が続きました。このことから、暑さ・寒さをなくし住環境の快適性を向上させることが窓リフォームの主な動機になっていることが分かります。さらに、期待していた効果を実感できたか聞いたところ、9項目中8項目で90%以上の人が期待していた効果を実感できたと回答し、残る1項目「光熱費の削減」においても80%以上が実現したと回答。これは、断熱性能だけでなく「防音」「結露抑制」「防犯」などの観点も含め、窓リフォームが住環境の改善に大きく寄与していることを示しています。さらに、81.2%の人が窓リフォームに満足していることからも、その効果の高さが裏付けられました。
窓リフォームは単なる一時的な対策ではなく、住環境そのものを根本的に改善する有効な手段です。今後、快適な住まいづくりにおける窓の断熱性能への注目は高まり、住まい選びにおいても重要な選択肢となっていくことが予想されます。

《東京大学大学院准教授 前 真之先生の考察》
窓は家の中と外をつなぎ、眺望や通風はもちろん、太陽の光や熱を取り入れるなど様々な機能を持つ、他に代えのきかない大事なパーツです。一方で、窓に十分な性能がないと熱・空気・音が勝手に出入りして、日々の生活の質を損なってしまいます。
アンケート結果でも、光熱費の高さ・冬の寒さ・夏の暑さに、多くの人が不満を感じています。朝晩や部屋ごとの温度差、防音が不十分、部屋が乾燥・結露するといった不満も全て、建物の断熱性能が不足していることが一番の原因です。
国交省の調査では1999年の断熱基準を満たしている家はわずか18%。残り8割の家は断熱性能が不足しており、特に窓はアルミサッシ・単板ガラスがほとんどで実質無断熱です。
冬に18℃以上が健康温度というのが新常識になりつつありますが、ヒートショックの原因は家の中の寒暖差。その防止には夜の脱衣所・早朝のトイレまで含めて「家中いつでもどこでも」室温を18℃以上に維持する必要があり、これは暖房設備だけではどうにもなりません。建物全体、特に窓の断熱性能を高める必要があります。
2023年から国の補助金が出るようになり、窓リフォームの知名度も向上しましたが、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。自分も自宅のマンションに内窓を付けてもらいましたが、採寸に半日・施工も1日ですみ、直後から室温が改善し、外の音が聞こえなくなり静かに。アンケートでも多くの方が満足している内窓リフォームの効果を実感しました。
よくメディアでは、自分でできる簡便な窓断熱のDIYが取り上げられています。私も以前に自宅で試しましたが、作業が結構大変で、断熱効果が低いものが多く、見た目、開閉の滑らかさ、耐久性にも劣ります。窓の多様な機能をしっかり満たすためには、ちゃんとした内窓を施工のプロにキチンと付けてもらうのが、やはり一番おススメです。
金額を心配される方が多いようですが、室内環境、ひいては生活の質そのものを引き上げてくれる「1窓10役」の窓リフォームこそ、実はコスパ最強です。補助金もある今こそ、全ての人にチャレンジしていただきたいですね。
(YKK APより前先生に依頼し、いただいたコメントを編集して掲載しています)
1窓10役!窓リフォームで住まいの不満をまるっと解決
窓リフォームは、暑さ・寒さを軽減し冷暖房効率を向上するだけではありません。断熱性の向上により部屋間の温度差解消によりヒートショックのリスクを低減し、結露の発生を抑制することでカビやダニの繁殖を防ぎ、結果としてアレルギーをはじめとする健康被害が軽減するなど、健康維持にもつながります。
このように「遮熱」「断熱」「光熱費削減」「CO2排出量削減」「結露軽減」「カビ・ダニ抑制」「健康維持」、さらに「操作性向上(外窓交換の場合)」「見た目の一新」「防音・防犯(内窓の場合)」と、実に“1窓10役”な窓。窓リフォームをすれば住まいの不満がまるっと解決します!様々な暑さ・寒さ対策グッズの使用を減らすことができれば、室内の見た目がすっきりし、住環境の美化にもつながります。壁を壊さずに済む窓リフォームなら引っ越しする必要もなく、作業が終了。快適な住環境の実現とともに、健康や経済面、さらには住空間の美しさにも貢献する有効な手段といえます。

大型の補助金を利用した窓リフォームは今年がチャンス!
2025年3月から、「先進的窓リノベ2025事業(※2)」の補助金交付申請がスタートする予定です。この事業は、住宅の省エネルギー化を推進するため、環境省、経済産業省、国土交通省が連携して実施している補助事業「住宅省エネ2025キャンペーン」のひとつで、断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化を支援する取り組みです。
政府は2050年までに、温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げています。この目標を達成するためには、住宅の省エネ化が不可欠であり、特に既存住宅の断熱改修が重要とされています。日本のエネルギー消費の約3割は家庭が占め、そのうち約6割が冷暖房と給湯に使われています。多くの住宅は断熱性能が低く、熱損失が大きいため、冷暖房効率が悪くエネルギーの無駄が生じています。省エネ住宅の普及により、エネルギー消費を削減し、温室効果ガスの排出を抑えることが狙いです。
2023年から始まった「住宅省エネキャンペーン」では、断熱窓へのリフォームに対して大規模な補助金が交付されています。2023年~2025年の3年間「断熱窓導入の集中的支援」するとしてスタートしたキャンペーンのため、ここまで補助額が大きいキャンペーンは最終年になる可能性があります。
さらに、2025年4月1日から改正建築物省エネ法が施行され、新たに建物を建てる場合、省エネ基準への適合が義務付けられます。日本の住宅の高断熱化・省エネ化が本格化する今こそ、窓リフォームの実施をお勧めします。

※1:2022年6月17日に公布された「改正建築物省エネ法」により、2025年4月からすべての新築住宅に「省エネ基準(断熱等性能等級4、一次エネルギー消費量等級4(BEI=1.0))」の適合が義務化されます。
【国土交通省】改正建築物省エネ法の概要:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/shouenehou_r4.html
※2:環境省による「先進的窓リノベ2025事業」は、断熱窓・ドアへの改修を促進し既存住宅の省エネ化を促すことで、家庭からのCO2排出削減を目的とした補助事業です。窓・ドアの断熱化リフォームに特化し、1戸あたり5万円~最大200万円の補助額が支給されます。対象工事は「内窓設置」「外窓交換(カバー工法)」「外窓交換(はつり工法)」「ガラス交換」「ドア交換(カバー工法)」「ドア交換(はつり工法)」の6つで、それぞれの工事で採用する商品の大きさや性能値で補助金額が設定されています。
※3:厚生労働省 e健康づくりネット:https://e-kennet.mhlw.go.jp/tools_temperature/
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