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YKKグループ
第6次中期経営計画(2021~2024年度)の振り返りと 第7次中期経営計画(2025~2028年度)・2025年度経営方針のポイント

企業情報

1.YKKグループ

(1)YKKグループ 第6次中期経営計画(2021~2024年度) 達成状況と2024年度 連結業績

 YKK精神「善の巡環」に基づき、 YKKグループ第6次中期経営計画では、「Technology Oriented Value Creation『技術に裏付けられた価値創造』」を掲げてまいりました。最重要ポイントとしては、「持続可能な社会の実現に向けた創造力」のもとで、「商品力と提案力」「技術力と製造力」の4つの力に加え、これらを実現するために、日本国内での定年制度廃止をはじめとする年齢、性別、国籍等の違いを超えた「多様人財」の活用を掲げました。社員目線でのエンゲージメントの観点も含めて多様性を追求するとともに第6次中期経営計画達成に向けて注力しました。
 その結果、第6次中期計画の最終年度である2024年度の業績は、売上高は前年比109.1%・計画比101.6%の10,036億円、営業利益は前年比113.6%・計画比99.9%の627億円、営業利益率は6.3%と前年に対して、増収増益、計画に対して増収減益を見込んでいます。過去最高の売上高を更新する見込みです。

 

(2) YKKグループ 第7次中期経営計画(2025~2028年度) 全体方針

 YKK精神「善の巡環」に基づき、顧客、取引先、地域社会など、マルチステークホルダーとの共存共栄を経営の根幹に置き、より良い信頼関係を築き、共に発展していくことを目指してまいります。
新たに始まります、YKKグループ第7次中期経営計画においては、「Prosper Together for a Sustainable Future『持続可能な未来へ、共に発展』」を掲げます。
 YKKグループはサステナビリティの観点から、環境負荷の低減と社会的責任の遂行を重視し、持続可能な開発目標の達成に向けた取り組みを推進します。また、デジタル・トランスフォーメーションを通じて、業務プロセスの効率化と新たなビジネスモデルの構築を図り、総合競争力を更に高めること、人的資本の重要性を認識し、従業員のスキルアップと働きがいの向上を支援し、従業員のエンゲージメントを高め、広く顧客課題の解決に真摯に向き合い企業価値を向上していきます。

 

2.ファスニング事業

(1) ファスニング事業 第6次中期事業計画 達成状況と2024年度 業績

 お客様に対し、「より良いものを、より安く、より速く、よりサステナブルに」お届けする為に、適時・適材・適量をキーワードに掲げ、2024年度まで事業を推進してまいりました。
2024年度業績は、ファスナー販売数量は前年比113.2%・計画比105.0%の101.1億本、純売上高は、前年比114.7% 計画比106.9%の4,351億円、営業利益は、前年比153.3% 計画比123.8%の511億円、営業利益率は11.7%となり、前年・計画に対して、ともに増収増益を見込んでいます。

 

(2)ファスニング事業 第7次中期事業計画 事業方針と2025年度 計画

 YKK株式会社では、大谷裕明に代わって4月より松嶋耕一が社長に就任し、新たな体制で第7次中期経営計画に取り組んでまいります。
 第7次中期事業方針は「ONE YKKによる持続可能社会実現への貢献」です。今後もアパレル業界では調達分散、サステナビリティ意識の高まりや消費者の嗜好変化に伴う小ロット・短サイクル化の進行が想定されており、よりグローバルでお客様の要望に迅速に応えていきます。ファスニング事業のONE YKKによるバリューチェーンを構築し、それらを掛け合わせる事で価値を創出します。
 経営の中心と位置付けているサステナビリティについては、サーキュラーエコノミーへの移行を後押しする様々な商品の開発や取り組みを進めていきます。商品ではお客様へ“わくわく”していただける商品開発を目指します。開発の視点として、直接の取引がある縫製業者様向けには新しい使用感やより扱いやすい商品など、一般消費者の方々に対してはより環境や安全に配慮した社会課題の解決の一助となるような商品開発を進めます。製造・技術ではデジタル技術の活用をはじめとした各種施策を組み合わせて顧客と生産現場、世界の工場を繋げることで、ファスニング事業のONE YKK実現による顧客サービスの向上を実現します。
 全ての事業活動の原動力、YKKの企業価値向上の主役は社員です。人財育成においては、グローバルベースで新たな活躍・挑戦の場を設け、社員エンゲージメントの向上に向けた取り組みを強化していきます。
 これら人財とファスニング事業のONE YKKによる製造・技術・商品・サービスを通じて、YKKが持続可能社会の実現を目指し、イノベーティブで新しい事に挑戦し続けることでブランド力を強化していきます。
 これらを実現するための投資計画として、2025年度は803億円を予定し、中国・ASEAN・ISAMEAに541億円、日本・Americas・Europeに249億円となり、今後の成長を担う国/地域への積極的な投資を計画しつつ、各地域特性にあった投資をバランスよく実行するとともに、サステナビリティ関連やデジタル関連は将来に向けて重点的に投資する計画です。
 この取り組みのもと、2025年度ファスニング事業売上高は4,413億円(前年比101.4%)、営業利益529億円(前年比103.7%)、売上高営業利益率12.0%、ファスナー販売数量105.6億本(前年比104.5%)を計画しています。

 

3. AP事業 

(1)AP事業 第6次中期事業計画と2024年度 業績

 YKK APは、パーパス『Architectural Productsで社会を幸せにする会社。』のもと、第6次中期事業方針として『商品による社会価値の提供とモノづくり改革の実現』を掲げ、2024年度まで事業を推進してまいりました。
 2024年度業績は、売上高は5,624億円(前年比104.5%、計画比97.3%)と4年連続で過去最高を更新する見込みですが、営業利益は資材価格の高騰や販管費などの増加影響を価格改定、製造コストダウンなどで吸収できず、164億円(前年比64.2%、計画比59.6%)、売上高営業利益率は2.9%と、前年に対して増収減益を見込んでいます。

 

(2)AP事業 第7次中期事業方針と2025年度 計画

 第7次中期事業方針は『「収益構造の変革」と「技術革新による価値創造」』です。日本では、収益構造の変革について「リフォーム・改装分野へのシフト」および「素材構成・製造供給体制の最適化」に取り組みます。それぞれ2028年度目標として「リフォーム比率(売上高):住宅事業50%、ビル事業37%」および「高断熱窓化率(※1):住宅事業100%、ビル事業25%」を掲げます。海外では「更なる事業成長、海外構成比の拡大」に取り組みます。技術革新による価値創造では「自動化・省人化による、生産・業務プロセスの改革」および「社会価値創造に向けた技術開発」に取り組みます。
 第7次中期の重点施策として、日本は営業体制と商品力の強化により、窓・ドアリフォームの更なる市場浸透を進めます。高断熱窓化、素材の選択と構成の最適化、販売市場と輸送効率を考慮した製造供給体制の構築、デジタル・ロボット技術による製造ラインの無人化により収益構造の変革を行います。業務プロセスの改革として、AI積算システムなどのデジタル技術により顧客サービスを拡大します。また、省施工、省エネなどに関する社会課題の解決、生活の質向上に寄与する商品・技術開発、環境配慮型素材の開発により、社会価値創造に取り組みます。
 海外AP事業の重点施策として北米では、ビル事業については全米における強いブランド基盤の構築と新工場建設を視野に入れた事業の拡大を進め、住宅事業については南部6州における販売エリアを拡大します。中国では、新築分野についてはターゲットセグメントの拡大、改装分野については市場対応力を強化します。また、オフィスビル物件などの新たな市場へ参入し、カーテンウォールビジネスモデルの構築にも取り組みます。台湾ではターゲットセグメントの拡大、インドネシアでは高付加価値商品の浸透とチャネルの拡大を行います。さらに新規地域として、欧州市場への新規参入を進めます。これらの施策のもと、2028年度の海外AP事業は売上高1,597億円、2024年度比で約1.5倍を計画しています。
 これらを実現するための2025年度の投資計画は、日本では合理化対応、増産・新商品対応、デジタル関連、サステナビリティ関連、海外では中国の江蘇社新工場、インドネシアの工場再構築、北米の増産対応などを中心に、合計437億円の投資を計画しています。
この取り組みのもと、2025年度AP事業売上高は5,875億円(前年比104.5%)、営業利益172億円(前年比104.7%)、売上高営業利益率2.9%を計画しています。

※1 住宅事業は販売窓数ベース。ビル事業は受注窓数ベース。

 

4. YKKグループ連結業績

 YKKグループ連結業績の2025年度計画は、売上高は10,326億円(前年比102.9%)、営業利益684億円(前年比109.1%)、売上高営業利益率6.6%、当期純利益497億円(前年比83.6%)、ROA 3.4%、設備投資1,267億円(前年比175.3%)となります。

 

以上

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