ニュースリリース

YKK APの技術の歩み、モノづくりの精神を発信

「YKK AP技術館」 開設

建材事業創業の地 富山県黒部市のアルミ溶解押出工場をリノベーションして保存活用

企業情報

 YKK AP株式会社(本社:東京都千代田区、社長:魚津 彰)は、2024年11月14日、富山県黒部市のYKK AP黒部製造所内で建設を進めていた「YKK AP技術館」を開設しましたのでお知らせします。一般の方のご見学は11月23日(土)より開始いたします。

            「YKK AP技術館」外観

 YKK AP技術館はYKK APの「モノづくりと技術への挑戦の歴史をたどり、未来への成長につなげる」ことをコンセプトに建設した展示施設です。1959年、アルミ押出機の設置により建材事業を開始し、どのように成長・発展していったのか、モノづくりの技術を軸に紹介しています。建材技術の歩みや技術者の想いを伝えるとともに、“技術に裏付けられた価値創造”に向けて挑戦する会社の姿を示しています。

 建物は建材事業創業の地 富山県黒部市に1959年に竣工したアルミ溶解押出工場建屋をリノベーションして保存活用。無断熱建築を全面断熱改修してBELS評価(※1)星5相当の省エネ性能を確保しました。今回改修した壁面に使用したカーテンウォール(※2)にはアルミリサイクル材を100%使用することで廃棄物やCO2削減に貢献。今後は使用エネルギーについて再生可能エネルギー100%の利用と、黒部製造所の生産過程で発生する排熱エネルギーの再利用を目指します。

 展示施設として当時の鉄骨トラス屋根やスチールサッシを展示物として残しつつ、全面をカーテンウォールにした建築の新旧融合によりダイナミックに空間を大きくみせる構成にしています。また、自然光を有効に取り入れた展示や、屋外と繋がりをもつ空間設計により、窓を考える会社としてYKK APらしさを感じていただける建築になっています。

 展示は7つのゾーンに分けた構成で、事業の成長を支えた技術、商品の高機能化、新ビジネスモデルへの挑戦など、技術の歩みとモノづくりの精神を紹介しています。展示品は製造に使用していた社内製のアルミ押出機(1987年製)等を見ることができます。

<YKK AP技術館 主な特長>
・1959年竣工のアルミ溶解押出工場をリノベーション。全面断熱改修によりBELS評価5つ星相当の省エネ性能に
・カーテンウォールにアルミリサイクル材を100%使用。使用エネルギーは再生可能エネルギー100%を目標
・社内製アルミ押出機(1987年製)の展示など、建材事業の成長・挑戦について技術を軸に発信

■「YKK AP技術館」 来館案内

対象 どなたでもご入館・ご利用いただけます 
(推奨:小学生高学年以上)
開館時間 9:00~16:30(最終受付16:00)
休館日 毎週月曜日、祝日(土日と重なる場合は開館)、ゴールデンウイーク期間、夏季休暇、年末年始
利用案内

入館料、駐車場:無料
・10名以上の団体のお客様は予約が必要です
・見学希望日の60日前から予約を開始します

<予約・お問い合わせ先> 
ykkap_technology-museum@ykkap.co.jp

 

■「YKK AP技術館」概要

名称 YKK AP技術館
建築主 YKK AP株式会社
所在地 富山県黒部市吉田200
設計

株式会社アプルデザインワークショップ

(先⼈ホール)有限会社モトラデザインスタジオ

施工 第一建設株式会社、黒部エムテック株式会社
展示

株式会社丹青社

(先⼈ホール)株式会社マルチ・エンターテインメント・ワーク・ショップ 

構造 既存建物のリノベーション(SRC造、一部RC造、鉄骨造)
竣工日 2024年11月14日
規模 延床面積:4,462㎡
建物高さ:15.6m
階数:地上2階
工期 2023年1月~2024年10月
来館目標 2025年度:5,500名
総工費 約29億円

 

※1:「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略称。一般社団法人 住宅性能評価・表示協会が運営する建築物の省エネ性能を表示する第三者認証制度です。同協会に登録された機関が省エネ性能を客観的に評価し、一次エネルギー消費量をもとに6段階の星マークで表示しています。
※2:建物の荷重を直接負担しない非耐力壁。柱と梁を主要な構造体として、その構成部材にアルミやガラスなどの材料を用いて作られる外壁。

【展示概要】

<創業>エリア
Chapter1. 建材事業のはじまり ~ファスナーをつくっていた会社が、なぜ「建材」をはじめたのか~
テーブルエッジ(※3)やショーケース用アルミ押出材の製造で経験を積み、幅広でありながら非常に薄く高い押出技術が必要なスパンドレル(※4)の製造により押出技術力が大きく向上しました。自社工場の窓をスチールサッシからアルミサッシに置き換え、自社開発第1号「AS-200」を自社工場に設置。アルミ建具に続いて住宅用アルミサッシ「ハイサッシ」の開発を行い、建材事業をYKKの新たな事業の柱へとつなげました。映像シアターでは創業から現在までのYKK APの歩みと共に、その根底に流れるモノづくりの精神を伝えています。

※3:机の天板側面部を保護する為の部材。
※4:建築資材として使用される金属でできた化粧板。おもに建築物の外壁や天井に使われます。

<発展>エリア
Chapter2. アルミサッシで日本の住まいをかえる
日本経済が飛躍的に発展を遂げた時代、木窓をアルミサッシに変えるには品質の良い製品を大量に生産する必要がありました。一貫生産の始まりであり、世の中は多品種・小ロット化へと大きく変化します。そこには時代のニーズに応えながら常に高品質なモノづくりを目指して挑戦した技術の歴史がありました。多種多様なアルミサッシとなる形材を精度良く、満足な強度で、外観も美しく造ることが求められます。そのための鋳造・金型・押出・表面処理の製造の技術開発の取り組みを紹介します。

 

Chapter3. 快適な住まいを求めて断熱サッシとガラスをつくる
1980年代、省エネに対する世の中の関心が高まります。技術者たちはエネルギー効率と住環境の快適さを両立させる手段として、“断熱化”という新たなテーマを掲げます。寒冷地を皮切りに断熱サッシ、複層ガラスによる開口部の断熱商品の開発に取り組みました。アルミ形材の熱の移動を断ち切る「形材断熱サッシ」、断熱に優れた樹脂の押出成形による「アルミ樹脂複合サッシ」「樹脂サッシ」の開発です。また、窓の多くの面積を占めるガラスの断熱化技術に早期に着手します。「複層ガラス」の製造技術と「Low-Eガラス」のスパッタリング(※5)の技術開発について、求められる性能と品質の実現に向けた取り組みを伝えます。

※5:ガラス表面に皮膜を形成して、断熱性能などの機能を高める処理技術。

 

<改革>エリア
Chapter4. サッシから窓へ。窓のすべてに責任を持つ

海外では工場で工業化された窓が生産されていましたが、日本では建材流通店にフレームとガラスが届けられてから組立をする流通経路でした。2006年に窓としての品質を工場で作り込み、窓のすべてに責任を持ち、窓の新たな価値を世の中へ伝える新たなビジネスモデル 「窓事業」 の構築に取り組みます。窓専用工場でガラスを同期化して、家一棟の多品種の窓を生産するラインを開発し、施工現場までお届けする。そのための「窓の意匠・機能・性能を高める」「多品種の窓を作る」「窓をお届けする」技術など、窓事業を支える技術への取り組みを伝えます。

 

Chapter5. カーテンウォールで魅力的な街の輝きをつくる
建材事業のさらなる発展を目指して取り組んだ新たな領域が「カーテンウォール事業」です。高いデザイン提案力とエンジニアリング力により、建築家の想いを実現させる技術への挑戦を伝えます。この挑戦がYKK APにおける各事業の技術力の向上につながっています。

 

Chapter6. 黒部から世界へ
海外の事業展開では、各国の気候・文化に合った商品を現地で開発・製造しています。現地で求められる機能・性能を持った商品の開発から、それを実現するための材料・素材、生産技術への取り組みと一貫生産を通じて現地に根差した事業の展開について伝えます。

 

<挑戦>エリア
Chapter7.  Architectural Productsで社会を幸せに

YKK APのパーパス「Architectural Productsで社会を幸せにする会社。」や、モノづくりを通じた事業活動における「環境負荷ゼロ」への挑戦、新たな商品・技術開発に向けた取り組みについて紹介します。

 

<YKK AP 先人ホール> ~建材事業の生みの親 𠮷田久政と精鋭たち~
建材事業の生みの親 𠮷田久政氏の生涯と功績について展示と映像で振り返ります。

【施設画像】

<外観>

          カーテンウォールを全面にした建築

<内観>

高解像度画像は、以下よりダウンロード頂けます。

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