事業のグローバル展開
日本
日本国内の事業は、戸建住宅の窓やドア、インテリア商品を提供する「住宅事業」、非木造の集合住宅やオフィスビルのカーテンウォールなどを提供する「ビル事業」、建物と外構のトータルコーディネイトを提案する「エクステリア事業」、産業分野を支えるアルミ形材を提供する「産業製品事業」を展開しています。加えて、国内外のカーテンウォール事業を強化するため、2023年4月にグローバルカーテンウォール本部を立ち上げました。
また、日本だけでなく、世界中の商品開発・技術研究・製造のヘッドクォーターとして、知見や情報、技術の集積・展開を図っています。
<中期成長戦略・ビジョン>
第6次中期事業方針である「商品による社会価値の提供とモノづくり改革の実現」に向けて、窓の高断熱化・高付加価値化の推進、ビル改装分野の提案を強化しています。国の補助事業などにより、さらにリフォームや改装の需要が高まることが想定されるため、リフォーム商品やガラスの生産設備の増強による生産能力の拡大にも取り組んでいます。新設住宅着工戸数が減少傾向のなかで持続的な成長を果たすため、新規事業やドメインへの挑戦も進めています。
また、カーボンニュートラル実現に向けて「カーボンニュートラルプロジェクト」を発足し、技術ロードマップを策定しています。これらの技術は日本だけでなく、世界中のYKK APグループに展開していきます。
北米
ビル用アルミ建材のビル建材事業、住宅用樹脂窓の住宅建材事業を軸に、商品を設計・製造・販売しています。環境政策をリードする断熱商品、甚大化するハリケーンやその他リスクに対応する安全対策商品、人手不足に有効なユニタイズドカーテンウォールなど、地域特性に応える商品を展開しています。
<中期成長戦略・ビジョン>
YKK APアメリカ社は、第6次中期経営計画の事業方針として「北米建材リーディングカンパニーとしての地位確立」を掲げています。重点施策としてビル建材事業では、地域サービスモデルと設計力を生かした物件事業拡大に取り組みます。特に、西海岸エリアの戦略強化と中南部市場でのさらなる深耕、断熱商品の強化・拡販を進めていきます。さらにエリーAP社と連携し、北米における顧客基盤の拡大および技術提案による受注拡大に取り組みます。
住宅建材事業では、商品戦略・製造基盤強化による収益体質強化および事業規模拡大を掲げています。2023年12月、新工場において樹脂窓の生産が始まりました。高効率な一貫生産体制を構築した最新設備で生産される新商品を活用し、米国南部6州内における未開拓エリアでの販売強化に取り組みます。同時に、主力商品のモデルチェンジとバリエーション拡充を行います。
また、両事業の販売戦略を支える事業基盤戦略として、技術力向上、管理機能強化により事業展開のスピードアップとガバナンス強化をより一層図ります。
中国
中国国内向けのアルミ・アルミ形材断熱商品の設計・製造・販売機能を持つYKK AP中国社、グローバル製造供給拠点として部品・カーテンウォール・窓商品を製造するYKK AP蘇州社、日本向け樹脂形材製造拠点であるYKK AP大連社と、それらを統括するYKK AP中国投資社により、事業展開しています。「中国門窓・CW業界十大ブランド表彰」を国外企業で初めて9年連続で受賞するなど、YKK APブランドは中国国内でも高く評価されています。
<中期成長戦略・ビジョン>
第6次中期経営計画の事業方針では「既存事業の成長加速と新規事業による事業拡大」と「持続的成長を支える製造供給体制の再構築」を掲げています。
重点施策として、内需事業では、中級市場における新規顧客開拓および改装事業における販売チャネルの拡大に取り組んでいます。今後は、新設住宅市場に向けた大開口商品や新アルマイト色の提案を強化し、改装市場では、換気商品などの改装専用商品を投入することで、さらなる販売拡大を図ります。
一方で、変化の激しい市場環境に対応するため、組織改革を行うことで体質強化を図ります。輸出事業では、部品・カーテンウォール・窓商品・樹脂形材のコスト競争力強化、物量変化に対応可能な生産体制の構築に取り組みます。
アジア
成長著しい市場として、台湾・インドネシア・タイ・インドに製造拠点を有し、各国/地域に合わせた商品展開とビジネスモデル構築を進めています。
YKK AP台湾社では、大型台風が多く襲来する気象条件に合わせた高水密サッシを軸に、トップブランドの評価を得ています。施工協力業者の育成にも取り組み、施工品質のさらなる向上を図っています。
YKK APインドネシア社では、アジアにおける研究・製造の拠点として、インドネシア国内・アジア地域に向けたアルミ形材、アルミサッシを中心とする設計・製造・販売を展開しています。
そしてインドでは、ボルーカ社が主要ドメインであるアルミ形材の押出・販売事業に加え、高層・集合住宅および中低層・多棟数戸建向けアルミ窓商品の製造・販売を進めています。
<中期成長戦略・ビジョン>
YKK AP台湾社は、台湾のトップブランドとして、さらなる成長に向けた構造改革を掲げ、高付加価値商品の提案を強化し、増販を図っていきます。また、中級市場を開拓するため、新商品の開発および生産ラインのさらなる合理化、生産体制の強化によるコストダウンを進めていきます。
YKK APインドネシア社では、高級市場に加え、急伸する中級市場でのボリューム増加をめざしています。2021年に発売した中級上位市場向けビル用サッシ「MADELA」のバリエーション拡充に加え、高品質な玄関ドア、耐食性・耐久性・デザイン性に優れたアルミカーポートなどの新商品を投入し、中級上位分譲戸建の販売ボリュームの増加と付加価値向上を実現します。
インドのボルーカ社は、高品質・高付加価値商品を提供することにより、YKK APブランドの窓を通じた住生活環境の向上をめざしています。形材事業においては、設備投資の実施によりコスト競争力を強化しています。基幹窓商品である「IWIN-S」のバリエーションの拡充、中級ボリュームゾーンへの提案力の強化などにも取り組んでいます。